労基署、改善認めなければ、再是正勧告なく書類送検の方向へ – 辻野社会保険労務士事務所

2024/05/07
ゴールデンウイーク明けの頭をハンマーでガツンと打たれたような気持ちにさせる記事がありました。
今回はそれについて御連絡致します。

【結論】
厚労省は、労働基準監督署により、過去に重大・悪質な法違反が認められ、是正勧告して改善したはずの事業場が、再び同じ内容で違反をしたと認めた場合に、再度の是正勧告は出さず、書類送検する方向に舵を切ったと考えられます。

【根拠】
労働新聞社が厚労省に監督指導業務運営関連の情報開示請求したところ、労働基準監督官の司法警察権限の行使に関し、過去に重大・悪質な法違反が認められたにもかかわらず、その改善の定着が確認されない場合は「躊躇なく司法警察権限を行使する」旨の追加記載があった。
（関連新聞記事添付）

※送検とは（広辞苑第六判より）
事件を司法警察員から検察官に送ること。捜査書類および証拠物のみを送付する場合（書類送検）と、被疑者の身柄をともに送致する場合（身柄送検）とがある。

※労働基準法より「労働基準監督官の権限」
第102条　労働基準監督官は、この法律違反の罪について、刑事訴訟法に規定する
司法警察官の職務を行う。

【参考情報】
三重県の四日市労働基準監督署が、過去に36協定の限度時間を超えて働かせたとして、是正勧告し、改善を確認した経緯がある一般貨物自動車運送業者に対し、この記録を元に定期検査したところ、繰返しの違反を見つけたとして、再度の是正勧告はせずに2024年3月7日、送検した。

今回は以上となります。
宜しくお願い致します。